株式会社キャスターはなぜAIに本気なのか——AI FIRST経営で見えてきた外注の未来と、発注者が今選ぶべきサービス

業界分析・格付け

この記事はAIによる分析を含みます。ソース:株式会社キャスター公式サイト・IRプレスリリース・各社公開決算資料(2026年7月参照)

結論から言う

株式会社キャスターは2025年から「AI FIRST経営」を掛け、従来のオンラインアシスタント事業をAI×BPaaS(AI-BPaaS)へと進化させている。BPaaS事業で稼いだ利益をAI Tech事業に再投資する構造で、「人に頼む外注」から「AIと人の組み合わせで頼む外注」への転換を最も速いスピードで進めている会社だ。

事務代行おすすめ7選で紹介したCASTER BIZとMy Assistantの2社がなぜ同じキャスターグループから出ているのか——その答えを、IRデータと公開情報をもとに発注者目線で読み解く。

キャスターという会社の基本情報

株式会社キャスターは2014年創業。設立当初からフルリモートという新しい働き方を実践しながら、クラウドツールと人的リソースを融合させたBPaaSモデルで事業を拡大してきた。2023年に東証グロース市場に上場(証券コード:9331)。代表取締役は中川祥太氏、ミッションは「創り変える。働くの全てを。」だ。

直近の業績(2026年8月期第3四半期)では、累計売上高33億5,000万円、営業利益3,500万円で3四半期連続の営業黒字を達成している。ただし中期経営計画は取り下げおり、BPaaS事業の稼働社数の積み上がりが想定より遅れていることが要因の一つとして挙げられている。

2025年から加速したAI FIRST経営

キャスターが大きく転換したのは2025年だ。「AI FIRST経営」を掛け、従来のBPaaSから「AI-BPaaS(AIと人の融合によるバックオフィス代行)」へと事業コンセプトを進化させた。

この戦略を実行するため、2026年8月期からは事業セグメントを3つに再編している。

セグメント 主な事業内容 役割
BPaaS事業 CASTER BIZシリーズ(月額制リカーリング) 稼ぎ頭・安定収益基盤
HR事業 在宅派遣・Reworker等 人材供給インフラ
AI Tech事業 AIエージェント開発・AI実装・AI研修等 成長投資先

BPaaS事業・HR事業で稼いだ利益をAI Tech事業に投資し、そこで生まれたAI機能・知見を全体のサービスに還元する。AI関連の子会社を3社取得・設立し、グループ体制に移行した。

キャスターのサービスラインナップ

現在のキャスターグループのサービスは大きく5種類に整理できる。

人×チームの高品質型:CASTER BIZ assistant

採用倍率1/100という選考基準で採用したアシスタントが対応する。月額定額型(BASICプランで月30時間・132,000円~)で、品質の安定感が強みだ。

AIと人のハイブリッド低価格型:My Assistant

AIを活用することで低価格化を実現した小口(マイクロロット)対応サービス。月10時間・25,000円から始められ、時扗2,500円はキャスターグループ内で最安だ。1ヶ月契約で始めやすい。社内では「マイクロロットサービス(My assistant)」と呼ばれており、2026年8月期から需要拡大が続いている。

AIと人材のハイブリッド特化型:NEO assistant

2025年8月にリリースした生成AIと専門人材によるハイブリッド型アウトソーシングサービス。AIによる自動処理と専門人材によるクオリティコントロールを組み合わせる。

AIエージェント制作代行:CASTER NEO

2025年3月から提供開始。クライアント企業独自の業務プロセスやルールに最適化されたAIエージェントを、要件定義から実装・保守まで一貫して構築する。150万件以上の業務をBPaaSで処理してきた知見をAIエージェント設計に転用している。

自律型AIエージェント:AI社員

2026年5月より順次提供開始された最新サービスだ。「AI社員を1人、組織に加える」という発想で設計されており、コミュニケーションツール上で「相談・依頼・実行」を自律的に行う複数のAIエージェントが連携して業務全体を横断支援する。

「AI社員」という概念が示すもの

キャスターが2026年5月に発表した「AI社員」は、従来の「人に頼む外注」「ツールを使って自動化する」とも異なる第3の外注形態だ。

これまでの外注の二拡は「人(BPO/アシスタント)に頼むか」「SaaSやRPAで自動化するか」だった。AI社員はこの中間に位置する——ツールのように常時稼働しながら、人のようにコミュニケーションを取り、業務を自律的に遂行する。

キャスターがBPaaS事業で蓄積してきた「150万件以上の業務処理の知見」が、AIエージェントの学習データ・設計ノウハウとして転用できる点が競合との差別化になる。

発注者目線:今どのキャスターサービスを選ぶか

人の品質を最優先するなら → CASTER BIZ assistant
採用倍率1/100のクオリティが必要で、長期安定稼働を求めるなら今もこれが最善手だ。

コストを押えてまず試したいなら → My Assistant
時扗2,500円・月25,000円・1ヶ月契約はキャスターグループ内で最安水準だ。

業務ごとにAIエージェントを構築したいなら → CASTER NEO
社内に固有の業務ルールがあり、汎用AIでは対応できないケースに向く。

AI社員の活用を検討するなら → 様子を見る段階
2026年5月から順次提供開始されたばかりで、実績・評価が蓄積されていない。関心があれば問合せだけして情報収集するのが現実的な動きだ。

がいちゅーぶ的考察:キャスターが教えてくれること

キャスターの動きを追うと、外注市場に起きている大きな変化が見えてくる。BPO会社が「人を売る会社」から「AIと人の組み合わせを売る会社」に変わろうとしている。

My Assistantの時扗2,500円が成立するのは、AIが一部の業務を代替することでアシスタントの稼働効率が上がるからだ。これが進めば、外注の単価は今後さらに下がる可能性がある。

発注者にとっての示唠はこうだ。今後の外注戦略は「何をAIに任せ、何を人に任せるか」の設計が問われる。その設計を手伝えるBPO会社がこれからの時代に生き残る。

まとめ

キャスターは現在、BPaaS事業の安定収益を原資にAI事業への投資を続けている過渡期にある。CASTER BIZ(高品質・高価格)とMy Assistant(AI活用・低価格)の2枚看板は、その過渡期における「現在と未来の両方に対応する」ための設計だ。

発注者が今キャスターを使うなら、My Assistantからコスパを確認し、品質が必要であればCASTER BIZに移行するステップが最もリスクが少ない。


出典・参考資料
・株式会社キャスター公式サイト(https://caster.co.jp/)
・株式会社キャスター IRページ・決算説明資料(2026年8月期第2・3四半期)
・「AI社員」プレスリリース(PR TIMES、2026年4月3日)
・「CASTER NEO」サービス開始プレスリリース(2025年3月13日)
・ログミーファイナンス 決算書き起こし(2026年8月期第2・3四半期)

本記事はがいちゅーぶ(運営:株式会社草世木)が独自に分析・編集したものです。

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