中小企業の半数が外注を始めた——何を・いくらで・なぜ頼んでいるのか

業界分析・格付け

この記事はAIによる分析を含みます。ソース:中小企業庁「中小企業白書(2018年)」・経済産業省「企業活動基本調査」・矢野経済研究所(2025年)・各社公式料金情報(2026年)

結論から言う

日本企業の6割超が外注している。中小企業でも半数が取り組み始めている。最大の理由は人手不足だ。

外注をしている会社は全体の63.2%、中小企業でも五割は何らかの業務委托を経験している(経済産業省「企業活動基本調査」・中小企業庁「2018年版中小企業白書」)。外注費は売上原価の12.9%を占め、企業規模によって年間数百万円から数十億円まで幅がある。

この記事では「どういう会社が」「なぜ」「何を」「いくらで」外注しているかをデータで整理し、がいちゅーぶの視点から傾向を読む。

どういう会社が外注しているか

経済産業省「企業活動基本調査」によれば、外注企業比率は63.2%(前年比+0.5ポイント)。産業別では情報サービス・情報制作業が86.7%、製造業が83.7%と特に高い。

中小企業に限ると実施率は下がる。中小企業庁の2018年調査では「外注に取り組んだことがある」中小企業は50.5%、うは3年前より積極化しているのが14.1%だった。2018年時点のデータだが、その後のクラウドサービス普及や人手不足の深刻化を踏まえると、現在の実施割合はさらに高まっていると推定される。

クラウドソーシングに絞ると、2018年当時は中小企業の約1割しか活用していなかった。「取り組んだことがない」が90.3%——ランサーズ・クラウドワークス・ココナラが普及した今となっては参考値だが、外注の手段としてまだ伸びしろが大きいことは確かだ。

大企業への導入が一巡した後、BPO各社の営業ターゲットは今まさに中堅・中小企業へとシフトしている(矢野経済研究技2025年)。「外注は大企業のもの」という感覚は、既に過去のものになりつつある。

どういう理由で外注しているか

中小企業庁「2018年版中小企業白書」より。現在も同様の傾向と推定される。

外注する理由 回答割合
受注の増加に対応できる 47.1%
季節的な業務量の変動に対応できる 40.8%
社内で実施するより効率的に成果が得られる 28.3%
周辺業務を切り出し、従業員がコア業務に集中できる 24.1%

1・2位が「人手の問題への対処」だ。外注は経営戦略というより、現実の人手不足への対処として使われている。近年はこれに加えてベテラン担当者の定年退職を機に外注化が進む動きも顕著になっている(矢野経済研究技2025年)。

何を外注しているか

経済産業省「企業活動基本調査」によれば、製造委託以外の外部委託業務の状況(複数回答)はこうなっている。

外注業務カテゴリ 回答企業比率
物流関連 48.7%
環境・防范関連 48.7%
情報処理(IT) 33.5%
税務・会計 33.5%
一般事務処理 21.2%
従業員教育 15.9%

物流・環境・防范は設備や資格が必要なため外注されやすい。注目は情報処理と税務・会計が3割超という点だ。「専門性が社内にない」「定型業務だが正確性が要る」業務が真っ先に外に出されている。

いくらくらいかけているか——2つの視点

視点A:企業あたりの外注費の規模感

経済産業省「企業活動基本調査」より。

対象 外注費の目安 備考
調査対象企業の平均 年間23億円 大企業含む全体平均
情報サービス・情報制作業 年間28億円 外注比率が最も高い業種
売上原価に占める割合 12.9% 全産業平均

この23億円は大企業も含む平均であり、中小企業には参考値に過ぎない。ただし「売上原価の12.9%」という比率は規模を問わず示唠がある。中小企業の平均売上高2.1億円(中小企業庁「2023年中小企業実態基本調査」)に当てはめると、年間数百万~2,000万円台が外注費の標準的な規模感になる。

視点B:業務別・外注先別の1回あたり費用相場

業務 クラウドソーシング経由 オンラインアシスタント(月額) 専門会社・エージェント
記事ライティング 文字単価0.5〜3円、SEO記事1本3,000円〜数万円 月額内 月額+個別
バナーデザイン 1点3,000〜1万円 月額内 個別見積もり
データ入力 時給1,000〜2,000円 月額内 別途
事務・バックオフィス(月次) スポット積み上げ 月3.8万円〜(Chatworkアシスタント)/月5.7万円〜(フジ子さん) 月10万円〜
フリーランスエンジニア(週5稼働) 月65〜90万円(職種・スキル次第) 対応外 月65〜90万円(レバテック等)

費用は業務内容・品質・依頼先によって大きく変動する。上記はあくまで目安だ。

がいちゅーぶ的考察:3つの傾向

傾向①「外注の推進力は人手不足——AI時代もむしろ加速する」

外注理由の1・2位が「繁忳対応」「変動吸収」と、人手の問題への対処だ。日本の就労人口は2030年に7,076万人(2010年比▼13%)まで減少する見通しで、この構造は強まり続ける。AIが定型業務の一部を代替しても、AIが作ったものを確認・修正する「人の目」の外注需要はむしろ増す。外注は選択肢ではなく、生存手段に近づいている。

傾向②「今、外注の波が中小企業に届きつつある」

大企業への導入が一巡し、BPO各社のターゲットが中堅・中小企業にシフトしている。月3.8万円から始められるオンラインアシスタントの普及がその象徴だ。外注費が年間数百万円規模の中小企業にとっても、使える選択肢が確実に増えている。

傾向③「クラウドソーシングは外注全体の中ではまだ少数派——だからこそ差がつく」

情報処理・税務会計・一般事務が外注上位業務だが、クラウドソーシングが最も力を発揮するのはライティング・デザイン・Web制作の領域だ。外注全体で見ればクラウドソーシングはまだ少数派で、使いこなせている発注者と使えていない発注者の差は大きい。具体的な選び方は各記事で詳しく解説している。

まとめ

外注は今、量・種類ともに拡大している。費用も月数万円から始められる選択肢が増え、「中小企業が外注を使う敏い」は確実に下がった。一方で、外注先の選び方・頼み方を知らないまま使い始めると品質と費用の両方で損をする。

クラウドソーシングでの発注先の選び方については、以下の記事を参照してほしい。


出典・参考資料
・経済産業省「企業活動基本調査」(外注企業比率・外注費・外部委託業務状況)
・中小企業庁「2018年版中小企業白書」(中小企業の外注実施率・外注理由)
・中小企業庁「2023年中小企業実態基本調査」(中小企業の平均売上高)
・矢野経済研究所「BPOサービス市場に関する調査(2025年)」(市場動向)
・レバテック「フリーランスエンジニア単価相場(2024年1月時点)」
・HELP YOU、各オンラインアシスタントサービス公式料金(2026年)

本記事はがいちゅーぶ(運営:株式会社草世木)が独自に分析・編集したものです。

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